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主観情報処理研究所

経営情報システム:企業間システム(最終更新:2015/12/06 16:33:44 JST)

企業間システム

情報システムの導入は組織内の業務に影響を及ぼすだけでなく,企業間の商取引全般に影響を及ぼす.例えば,企業間で受発注を行うとき,コンピュータネットワークを利用して電子的に行うことが可能である.このような商取引データの交換を電子データ交換(EDI)と呼ばれる.EDIによる企業間システムを成立させるためには,データ通信,処理の標準化が不可欠となる.

企業間通信手順

企業間の通信手順(プロトコル)には次のようなものが使用されていた.

全銀協標準通信プロトコル(全銀手順)
全国銀行協会連合会(全銀協)が定めた通信手順.銀行間,あるいは銀行と企業間においては,給与振込や他行への現金振込を始めとする多くの情報をやり取りする必要があることから,これを自動化する目的で導入されたものである.
JCA手順(JCA protocol)
日本チェーンストア協会(JCA)が定めた通信手順.チェーンストア業界の店舗と問屋間においては,非常に多くの商品情報を日々やり取りする必要があったため,その標準化を目的として導入されたものである.
 

ただし,これらは業界や限られたマーケット内におけるEDI普及の大きな原動力となったが,一方で業界を超えたEDIの標準が存在しないため,開かれたEDIの実現までには至らないという問題も抱えていた.つまり上記の全銀手順とJCA手順に互換性がないため,結局業界を超えたようなEDIには対応できていなかった.

この問題のひとつの解決法が,特殊な手順を利用せず汎用的なインターネット技術を利用してEDIを実現するWeb-EDIである.Web-EDIを用いれば,例えばインターネットやIP-VPNなどの低コストなネットワークを利用して企業間の情報のやり取りを実現することができる.また,新たに開発すべき通信手順も必要ないため低コストで実現できるのも,大きなメリットの1つとなっている.

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ビジネスプロトコル

企業間通信に必要なビジネスプロトコルには次のようなものがある.

H手順
JCA手順に代わる次世代の標準データ通信手順として,日本チェーンストア協会が開発した通信手順.MHS(電子メール)をベースとした新しい国際標準通信手順と位置付けられており,ISDNに対応し,漢字データも伝送可能になった.
ANSI X.12
American National Standard Institute X.12の略で,米国規格委員会標準X.12と呼ばれる.アメリカで規格化されたビジネスプロトコルの総称.北米では使われ続けているが,アメリカの企業も,国際的な取引にはUN/EDIFACTにとって代われられつつある.
UN/EDIFACT
United Nations rules for Electronic Data Interchange For Administration, Commerce and Transportの略で日本語では「行政,商業,運輸のための,電子データ交換に関する国連規則集」と訳される.UN/EDIFACTは,国連・欧州経済委員会によって作成されたEDI実施に必要なビジネス・プロトコルの国際標準である.なおUN/EDIFACTという名称は,単にEDIFACTと略される場合もある.
EIAJ標準(JEITA規格)
Electronic Industries Association of Japanの略.電子機械産業の業界団体である日本電子機械工業会(EIAJ)が開発した電機業界向けEDI標準.日本電子機械工業会(EIAJ)は,2000年11月に日本電子工業振興協会(JEIDA)と合併し,「電子情報技術産業協会」(JEITA)となったため,EIAJ標準はJEITA規格として受け継がれている.

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