経営情報システム:機能別業務システム(最終更新:2015/12/06 16:33:44 JST)
企業の中で用いられるシステムは通常,業務処理の系列ごとにまとめられたいくつかの企業内システムの組み合わせから成り立っている.これらの業務処理システムについて以下で簡単に説明する.
いわゆる事務処理のためのシステムである.これらの業務の特徴は,データ処理のルールが明確に規定されているので,コンピュータを用いた支援が威力を発揮しやすいことである.従来は,個々の企業で開発したり,あるいは自社用に開発を依頼することも多かったが,近年では市販パッケージシステムの利用が増える傾向にある.
受注情報処理としてのオーダエントリシステム,さらには製造,調達の手配から出荷,代金請求に至る一連の販売業務システムが営業支援システムに含まれる.従来から企業情報処理システムの中心となっていた.さらに近年では,単なる処理だけでなく,顧客情報管理,営業履歴情報の活用,営業ノウハウの共有化やネットワークを介した情報連携が注目されている.
製造業の生産現場で利用されるシステムである.生産計画と生産管理がシステムの中心である.特に生産設備の自動化により,コンピュータの活用が生産性の向上に寄与した.これらのシステムには,FAやCIMなどが含まれる.
流通業あるいは流通現場で使用されるシステムである.よく知られているものとしてPOSがある(後述).またネットワークを活用したオンライン情報処理は無在庫販売方式を実現する基盤となり,物流そのものを大きく変える基盤ともなっている.
金融システムの特徴は,個別顧客に対応するためのオンライントランザクション処理と大量のファイル更新処理を行うバッチ処理の2本立てシステムから構成されている点である.オンライントランザクション処理を行うシステムを勘定系システム,バッチ処理を行うシステムを情報系システムと呼ぶ.ATMはオンライントランザクション処理のための端末機である.勘定系のシステムは,ひとたびシステムダウンが発生すると一般大衆への影響が非常に大きいため,信頼性の高いシステムが必要になる.
研究開発分野で使用されるシステムである.図面を多用する設計作業をコンピュータ・ITを活用して支援するCAD,その結果を生産に適用するためのCAMがある.さらに研究開発など広いエンジニアリング分野をカバーする概念としてCAEがある.
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