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主観情報処理研究所

経営情報システム:オフィスの生産性向上のためのシステムとEUC(最終更新:2015/12/06 16:33:44 JST)

オフィスの生産性向上のためのシステムとEUC

情報システムを一般の職場に導入することで生産性を向上させようとすることは多くの企業で行われている.ここではその考え方について説明する.

オフィスの生産性の向上のためのIT化

一般の職場の生産性を向上させるために,よく行われている方法がパソコンの導入である.またよりパソコンの導入の効果を高めるために,グループウェアやワークフローシステムが合わせて導入されることも多い.ここではこれらについて簡単に触れる.

パソコン活用

紙と鉛筆と電話で行われてきたいろいろな事務作業をパソコンに置き換えるというものである.パソコンを活用することで,個人の事務作業の効率化と創造性を向上させることが目的である.いわゆるOA化と呼ばれる動きである.パソコンを利用することで,定型的で反復的な単純事務作業の負担を軽減することが目的である.つまりパソコンを1つの文房具と考えている.特に,パソコン上で利用される,ワープロ,表計算,電子メール,ブラウザが業務の上での道具として活用されている.

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グループウェアと協調的業務処理

協調作業(CSCW)

パソコン活用は組織の構成員個人の能力を情報システムを活用することで高めようとするものである.次の段階は部署全体としての能力を高めるために情報システムを活用することになる.通常業務は個人ですべてを遂行することはまれで,チームなどの形で複数人で分担,協力,連携して遂行することになる.このような業務の形式を協調作業という.

グループウェア

もちろん,協調作業理は,部内で資料を共有する,仕事の進捗が一目でわかるようにホワイトボードに記入して更新するなど情報システムを用いる前から行われている.これらのいわゆる紙と鉛筆で行われてきた協調作業を効率よく間違いなく行うためのシステムがグループウェアである.グループウェアは組織での協調作業を支援するソフトウェアである.通常,各種の情報を蓄積,処理,管理するためのサーバと組織の構成員の端末パソコンから構成される.グループウェアの機能は,業務遂行上利用する情報を共有するデータ共有,スケジュールの管理,電子掲示板,会議システム,各種の施設の予約などがある.特徴としては,グループウェアを利用する際には特殊なソフトウェアを端末パソコンに新たにインストールする必要はなく,通常ウェブブラウザと電子メールクライアントソフトがあればよいことである.

ワークフローシステム

グループウェアにさらに回覧機能やデータベース参照機能を追加して,職場内の業務関係者間の情報伝達を全体的に支援するシステムである.このシステムの導入により,業務の処理手順の大部分が電子化されることになるため,業務処理基幹システムと捉えられることもある.

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エンドユーザコンピューティング:EUC

エンドユーザとは組織の各部門の一般のコンピュータの利用者のことである.エンドユーザコンピューティングとは,組織全体に共通するシステムは専門の情報処理部門で開発運用を行うが,各部門別のシステムは部門の利用者の側で開発運用するシステムの運用開発管理方法である.例えば,表計算ソフトに簡単なプログラムやマクロを追加して,その部門での処理を効率化することなどが挙げられる.

ただしEUCについては,次のような問題点もある.

上記のような問題を防ぐためには,EUCを完全にユーザ部門で好き勝手に実施させるのではなく,ある一定の体制を全社的に整備し,その中で実行させることが重要である.EUC推進のための機能としては,全体計画や標準化,体制作りを行うEUC推進統括機能,技術的なサポートやヘルプデスクなどのEUC支援機能,EUC実施機能が必要となる.

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