経営情報システム:IPアドレスとドメインネーム(最終更新:2015/12/06 16:33:44 JST)
インターネットは世界中の組織毎のネットワーク(LAN: Local Area Network)が接続されたもっとも大きなネットワークである.そのインターネット上には無数のパソコンや装置が接続されており,そしてそれらのパソコンは通信したい相手と通信を行っている(例えば,メールの送受信,ウェブページの閲覧).なぜこのようなことが可能なのだろうか.
郵便の場合を考えてみると,正しく郵便物を送り先に届けるためには宛先の住所を明記する必要がある.インターネットにも,郵便の住所と同じく住所に相当するものが用いられている.それがここで取り上げる,IPアドレスとドメインネームである.
IPアドレスはインターネット上のパソコンや装置を区別するために用いられるインターネット上の住所に相当する.IPアドレスの例は次のようになる.
IPアドレスの例 11000000 10101000 00000001 00000001(2進数表現) 192. 168. 1. 1 (10進数表現)
IPアドレスは32ビットで表現される.ただし人間にはわかりにくいので,8ビットずつピリオド(ドット)で区切って,それぞれ0~255の10進数で表現する.
IPアドレスの特徴は,32ビットの数字で各ホストが接続されているネットワークとその中の個々のホストを表しているところにある.つまりネットワーク部とホスト部の2つから構成されている.
IPアドレス = ネットワーク部 + ホスト部 例 IPアドレス:192.168.51.1 ネットマスク:255.255.255.0 ネットワーク部:192.168.51 ホスト部:1
ネットワーク部とホスト部を切り分けるために用いられるものがネットマスクである.ネットワーク部を表す桁だけ2進数の1を並べてある.上の例では,24個分1が並んでいることになる.ネットワーク部を取り出すためには,IPアドレスとネットマスクのAND演算を行えばよい.
11000000 10101000 00110011 00000001 11111111 11111111 11111111 00000000 AND ----------------------------------------- 11000000 10101000 00110011 00000000
AND演算では両方とも1のときのみ1,それ以外は0となる.
10進数を2進数に変換する方法は次の通り.変換したい10進数を2で割って余りを求める.それを繰り返す.最終的に割られる数が0になったら,余りを下から上に並べる.
2 ) 168 2 ) 84 ... 0 ↑ 最下位桁(LSB) 2 ) 42 ... 0 ↑ 2 ) 21 ... 0 ↑ 2 ) 10 ... 1 ↑ 2 ) 5 ... 0 ↑ 2 ) 2 ... 1 ↑ 2 ) 1 ... 0 ↑ 2 ) 0 ... 1 ↑ 最上位桁(MSB) 10101000
一般にn進数に変換したい場合は2の所をnに変えてやればよい.
16 ) 168 16 ) 10 ... 8 16 ) 0 ... 10 ただし16進数では10から15まではaからfで表すので,a a8
現在のIPアドレスは上でも説明したように32ビットで表されている.これをIPv4と呼ぶ.およそ2の32乗個のインターネット上の装置を個々に区別することができる.42億9496万7296台になる(らしい).これだけでも十分なように思えるかもしれないが,将来的にはIPアドレスが枯渇する.そこで次の3つの対策がとられている.
通常はIPアドレスは好き勝手に気に入った番号を利用したよいというものではない.ある組織ごとに利用してもよい範囲が振り当てられ,その中からその組織の管理者が個々の利用者に振り当てる.このようにインターネット上のすべての装置に個別の番号を振り当てようとするからIPアドレスが不足してしまう.そこでその一つの解決策として考え出されたのが,組織内のLANだけで自由に利用してもよい特別のIPアドレスである.これをプライベートアドレスという(これに対して,インターネット上で固有のIPアドレスはグローバルアドレスと呼ばれる).プライベートアドレスには次の3つの範囲がある.
IPアドレスを節約する方法として思いつくのが,あるIPアドレスを利用していないときには,別のパソコンに振り当てれば効率が良い.この方法を実現したものがDHCPと呼ばれる技術である.これは会計大学院棟の学生用LANにも利用されている.IPアドレスを配給するサーバへアドレスをもらいに行く.配給したサーバは一定時間経ったときにまだ使っているかを確認して,使っていなければ回収して,次の利用者に配給する.
DHCPに関する参考資料は次のページを参照するとよい.
節約するのは面倒だからIPアドレスの長さを長くして不足を解決するのがIPv6の考え方である.32ピットだったIPアドレスを128ビットに拡張することでおよそ10の38乗台の装置を接続することが可能になる.現在はちょうどIPv4とIPv6の過渡期になっている.
Ethernet adapter ローカル エリア接続: Connection-specific DNS Suffix . : Description . . . . . . . . . . . : Intel(R) PRO/1000 PL Network Connection Physical Address. . . . . . . . . : 00-16-36-C6-C2-23 Dhcp Enabled. . . . . . . . . . . : Yes Autoconfiguration Enabled . . . . : Yes IP Address. . . . . . . . . . . . : 192.168.11.2 Subnet Mask . . . . . . . . . . . : 255.255.255.0 IP Address. . . . . . . . . . . . : fe80::216:36ff:fec6:c223%5 Default Gateway . . . . . . . . . : 192.168.11.1 DHCP Server . . . . . . . . . . . : 192.168.11.1 DNS Servers . . . . . . . . . . . : 192.168.11.1 fec0:0:0:ffff::1%2 fec0:0:0:ffff::2%2 fec0:0:0:ffff::3%2 Lease Obtained. . . . . . . . . . : 2012年4月12日 17:01:42 Lease Expires . . . . . . . . . . : 2012年4月14日 17:01:42
このサイトに関するお問い合わせは,連絡先のページをご覧ください.参考資料
- IPv6(Wikipedia)
- あなたのマシンでIPv6を体験(@IT)