情報システムの分析と設計:クラス図(その3)(最終更新:2015/12/06 16:33:44 JST)
汎化はE-Rやオブジェクト指向分析・設計でも紹介した.継承とも呼ばれる.クラス間の親子関係である汎化は,2種の表記法がある.1つは分割表記で,サブクラス(子クラス)からスーパークラス(親クラス)に向かう白抜きの矢印で表す.もう1つは共有表記で,教科書59ページの図4-15のように,複数の汎化をまとめて表記する.なおサブクラスはスーパークラスの属性や操作を継承しているので,サブクラスでは新たにそれらを記述する必要はない.
ある要素の公開されている情報を変更したことにより,他の要素の変更が必要になるような関係を依存関係と呼ぶ.依存関係は,依存する要素(依存元)から依存される要素(依存先)への破線の矢印で表記する(教科書60ページ図4-16参照).なお,依存される要素が変化すると依存する要素が変更される,つまり依存先が変化すると依存元が影響を受ける関係になる.依存関係のキーワードおよび標準ステレオタイプは教科書60ページ表4-3参照のこと.なおステレオタイプを表す2重の不等号はギルメットと呼ばれる.
抽象クラスとは,クラスの枠組み,つまり操作の名前だけを宣言しているクラスである.したがって必ずサブクラスによって継承されて操作が具体化される.教科書61ページ図4-17のように,抽象クラスを表すために,クラス名を斜体で記述するか,あるいはクラス名の下に{abstract}というプロパティを付記する.また抽象クラスで枠組みだけ定義した操作を抽象操作と呼び,クラス名と同様,斜体で記述する(教科書61ページ図4-17参照).
UMLのクラス図でのインタフェースとは,操作の実体や属性を持たず,クラス外部に公開するpublicな操作の宣言(名前)だけを持つクラスである.インタフェースは教科書62ページ図4-18のようなラベル表記の場合,ステレオタイプ<<interface>>をクラス名の上に付記する.またボール表記の場合は,教科書62ページ図4-19のように,○で表す.
あるクラスがインタフェースクラスで定義された操作を実装していることを実現と呼ぶ.表記は,ラベル表記,アイコン表記,それぞれ教科書62ページ図4-18,4-19のように,破線の矢印あるいは実践となる.
他にもいくつかのクラスが定義されている.詳細は教科書の該当ページを参照のこと.
あるクラスの名前空間内に存在しているクラスを入れ子クラスと呼ぶ.表記法は教科書60ページ図2-36のようになる.
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