情報システムの分析と設計:クラス図(その2)(最終更新:2015/12/06 16:33:44 JST)
クラス図(その2)
関連(教科書53ページ)
関連はクラス間の関係を表すデザイン要素である.関連は教科書53ページ図4-4のようにクラスを表す四角形の間の直線により表現される.関連に関する要素は次のようなものがある.
- 2項関連
- 2つのクラス間の関連を表現する.自クラスに対する再帰的な関連も2項関連の一種と考える(教科書53ページ,図4-5参照)
- N項関連
- 3つ以上のクラス間の関連を表現する.教科書54ページ図4-6のようにひし形に各クラスを接続する
- 関連名
- 関連の内容を示す名前.関連名に加えて関連の方向を示す黒塗りの三角を記述することも可能.教科書54ページ図4-7のように関連の線の近辺に記述
- ネームディレクションアロー
- 関連名の横に描かれる黒塗りの三角形.これにより関連名を読む方向を示す
- 多重度
- 関連しているクラスのオブジェクト(インスタンス)の数を記述(教科書55ページ図4-8参照).オブジェクトの数が固定あるいは飛び飛びの固定数字の場合は,数字もしくは数字をカンマで区切って記述する.固定されない数字の場合は*もしくはnで表す.また範囲の場合は,下限と上限の個数をピリオド2個で記述する(例えば,0..*)
- 順序付け
- 関連するクラス間のインスタンスに一定の順序があることを表現.順序付けが存在する場合は,関連の線の上に{orderd}を記述して,そのクラスのインスタンスに順序があることを表す(教科書56ページ図4-9参照)
- 誘導可能性
- クラス間の関係に一定の方向性がある場合に,その方向性のことを誘導可能性と呼ぶ.関連線の矢印で表現する.関連をたどる方向性を表現.誘導可能性がない場合は明示的に×印を関連の線上に記入する(教科書56ページ図4-9参照).矢印がない場合は誘導可能性が未定か,双方向を意味する
- 関連端名(ロール名)
- 関連先のオブジェクトの役割を表す名前.関連の端点に記述される(教科書56ページ図4-10参照)
- 可視性
- 関連端名に可視性を付加することができる.ロールに対する他のクラスからの見え方を指定可能(教科書56ページ図4-10参照)
- 限定子
- 限定子とは,クラス間に1対nの関連があるとき,対象となるオブジェクトを特定するキーを表す(教科書57ページ図4-11参照)
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関連のバリエーション
関連にはいくつかの種類がある.代表的なものを概説する.
関連クラス(教科書57ページ)
関連クラスは,関連の意味(クラス間の関連の情報)をクラスとして表現したものである.教科書58ページ図4-12のように破線で関連と接続する.なお,あるクラス内で関連が存在して,その関連クラスを表現する場合はクラスから直接破線を引き,関連クラスを記述する.
集約(教科書58ページ)
集約は関連の一種である.クラス間の関係が「全体?部分」の関係になっているとき,特に集約と呼ぶ.教科書58ページ図4-13のように全体の側に白抜きのひし形◇をつけて表す.
コンポジション(教科書58ページ)
コンポジションは集約の一種で,合成集約とも呼ばれる.コンポジションでは,「全体が消滅した場合,部分も消滅する」という条件が集約に成り立つ.また部分となるクラスは同時に拭くうすのクラスから集約されない.教科書59ページ図4-14のように,全体の側に塗りつぶしたひし形◆をつけて表す.
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