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主観情報処理研究所

情報システムの分析と設計:クラス図(最終更新:2015/12/06 16:33:44 JST)

クラス図

クラス図は分析フェーズや設計フェーズで使用される.オブジェクト指向分析・設計で最も頻繁に使用される図でもある.システムの静的な構造をクラス間の関係で表現する.

この章の内容

  1. クラスの表記
  2. 関連
  3. 関連クラス・集約・コンポジション
  4. 汎化・依存
  5. インタフェース・実現

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クラスの表記(教科書48ページ)

クラス図の一例は,教科書48ページ図4-1を参照してほしい.この章を通して,最終的にこの図を見て,クラスの関係や内容が理解できるようになればよい.

クラス

クラスはオブジェクトを抽象化し,その枠組み(共通する性質,振る舞い)として定義したものと考えればよい.クラスは教科書50ページ図4-2のように,3つの区画を持つ長方形により表現される.各区画は,上から順に次のものを表す.

クラス名
「パッケージ名::クラス名」の形式で表記.パッケージ名は省略可能.またクラス名の上にステレオタイプを,クラス名の下にタグ付き値を記述することも可能
属性
クラスの特徴を現す要素である.「可視性 名前:型=デフォルト値」の形式で表記.名前以外の情報は省略可能.多重度と順序付けを付加することも可能.詳細は後に出てきたところで解説する
操作
クラスが行う処理やプロセスで,振る舞いやメソッドとも呼ばれる.「可視性 名前(パラメータリスト):返り値」の形式で表記.名前以外の情報は省略可能.パラメータリストは,操作のパラメターをカンマで区切って記述.パラメータは「名前:型=デフォルト値」の形式で表現

属性や操作のスコープとは適用される範囲と考えればよい.スコープにはインスタンススコープとクラススコープの2種がある.クラススコープとは,クラスそのものに値が保有され,クラスに属するインスタンスに対して値が共有されることである.つまりあるクラスからインスタンスが複数作成されたとき,例えばクラスに定義されている属性は,いずれかのインスタンスで変更されるとそれ以外のすべてのインスタンスの属性にも影響が及ぶ.これに対して,インスタンススコープはインスタンス単位で(インスタンス個別に)属性や操作の値を持つことができる(通常はインスタンススコープである).クラススコープの場合は下線を引いて記述する.

なお,可視性の4つのタイプは次の通り(教科書52ページ表4-2および図4-3参照).

+
public(どこからでも可視)
#
protected(同一パッケージ内およびそのパッケージから派生したクラスから可視)
private(同一クラス内でのみ可視)
˜
package(同一パッケージ内でのみ可視)

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